アフターピル(緊急避妊ピル、モーニングアフターピル)とは

コンドームやピルで避妊していても、コンドームが破れたり、とれたり、ピルを飲み忘れたりすることがないとはいえません。あるいはレイプという災難に直面してしまうこともあるかもしれません。あるクリニックで緊急避妊のために来院された方の理由を調査したところ、コンドーム破損が45.7%、コンドーム脱落が23%、とコンドームを使用していたケースが68.7%を占めていました。コンドームを使用せずにセックスをしてしまったというのは、31.3%でした。

妊娠の可能性がある場合に、事後にそれを回避する手段があります。それが緊急避妊法と呼ばれる方法です。緊急避妊法の1つに、アフターピル(緊急避妊ピル、モーニングアフターピル)を使う方法があります。アフターピルを用いての緊急避妊法は、性行後72時間以内に中用量ピルを2錠飲み、さらに12時間後に2錠飲みます(ヤッペ法)。これにより出血(月経)がはじまれば、妊娠は不成立となります。出血までの日数は、排卵前なら5日前後で、排卵後なら21日以内です。これは、ホルモン量の多いピルで排卵前であれば、排卵を遅らせて精子と出会う可能性を減らします。排卵後であっても子宮内膜に影響を与え、着床する可能性を低下させると考えられています。

半数の人に吐き気、10〜20%の人におう吐などがみられます。21日が過ぎても出血が起きない場合は、妊娠しているかどうか確認しに婦人科、クリニックへ行きましょう。妊娠判定薬でも反応はみられますが、今後の相談も含めて、婦人科、クリニックをおすすめします。避妊率は、ヤッペ法で95〜98%と言われています。

また、他の事後避妊方法もあります。それは、着床をさせない方法で、5日以内にIDUを子宮に挿入する方法です。この頃に受精卵が子宮に着床するので、その前にIDUを入れることで着床を妨げるのです。ただ、子供を産んだ経験のない女性の場合は子宮口が小さいので装着が難しく、麻酔を要する場合もあります。また、費用もピルに比べるとずっと高くなります。

また、妊娠を防いだあとは、パートナーと一緒に、必ず今後の避妊について話し合うべきです。ここで話し合いができない場合は、同じことを何度も繰り返すはめになるかもしれません。